目次
万が一のパソコン故障、どうする!? |
③ 大学生協のパソコンってどうなの?
前回の記事では、大学生に必要なパソコンのスペックを具体的に説明しました。今回は、一部の大学で大学生協から販売されている新入生向けパソコンについて解説します!
※ この記事では「大学生協のパソコン」の例として法政大学生協が販売する「法政大学生協オリジナルパソコン」の情報を、メーカー直販モデルの例として「富士通UH08シリーズ」の情報をそれぞれ記載しています。しかしながら記載された情報は法政大学生協および富士通株式会社から直接の提供を受けたものではなく、著者が各Webサイトを独自に読み取ったものです。したがって、この記事に記載された内容は法政大学生協ならびに富士通株式会社の公式情報ではないことをご留意ください。また、新入生向けパソコン商品の内容は各大学生協によって異なります。ご自身が加入予定の組合の最新情報を必ずご確認ください。当ブログを閲覧し、その内容を参照した事によって何かしらの損害を被った場合でも、著者および当ブログ管理者は一切の責任を負いません。
※ この連載では、「パソコン」=ノートパソコン または 2in1パソコンのことと思ってください。自分のデスクトップパソコンを大学に担いでいくのは現実的ではありません。
具体例を見てみよう!
お話を始めるにあたって、まずは具体例を見てみましょう!今回は法政大学生協の「受験生・新入生応援サイト」(2021年1月26日参照)を覗いてみることにします。法政大学生協が推している機種(Windows)は... 富士通のLIFEBOOK UH08のようですね。「法政大学生協オリジナルパソコンセットのお申し込みはこちら」と書かれたボタンを押すと、実際にパソコンを注文できる通販サイトにジャンプしました。おっ、パソコンのお値段が書いてあります。曰く、「おすすめ商品」は「生協オリジナルパソコン+フルサポートプラン」で199,900円(このほかにも価格の異なる複数のプランが掲載されています)。大学生協という「協同組合」を通しているからには、きっとお安く提供されているんでしょうね!
念の為に、メーカー直販サイトを確認してみましょう。公開されているスペックを頼りに生協オリジナルパソコンと同等と思われる構成(ちなみに、前回記事で説明した推奨スペックをしっかり満たしています)を再現して(記事末尾「参考」)値段を確認すると... 177,480円也。ん? 生協より安い...これはどういうことでしょう!?
生協パソコンの特徴
そう、純粋な価格で比較すると、大学生協のパソコンは必ずしも他で買うより安いとは限らないのです!では大学生協は暴利を貪る汚い組織なのでしょうか?決してそんなことはありません!
落ち着いてみましょう。いまメーカーサイトで確認したのは、あくまでパソコン単体のお値段。それに対して法政大学生協が販売しているのは、「生協オリジナルパソコン+フルサポートプラン」。「フルサポート」の費用が上乗せされているわけですね。
では法政大学生協の言う「フルサポート」とは何でしょうか?法政大学生協通販サイトによれば、その中身は「スキルアップ講座」と「安心サポートパック」だということです。
「スキルアップ講座」の中身は?
「スキルアップ講座」の紹介ページを参照すると、どうやらこの講座では法政大学の先輩学生が、ZoomやWord(レポート作成)、Excel(表、グラフ作成)、PowerPoint(プレゼン作成、発表)の使い方について教えてくれるようです。
えっ?「Wordくらい高校生でも使える」って?自分では大丈夫と思っているかもしれませんが、実は案外、そうでもないのです。
たとえば大学のレポートでは、表紙をつけねばならない、図表を掲載する場合には番号とキャプションをつけなければならない、文献を参照・引用した際には決められた形式に従ってその旨を表示せねばならないなどなど、面倒な決まりごとがたくさんあります。
これらのしきたりそのものを高校の授業では(多くの場合、大学の授業でも)教えてくれませんし、これらの様式を実現するためのWordの機能も決して簡単なものではありません。したがって、身近にレポートのルールを教えてくれる人がいない人、書籍を買い込んで独学でマスターしてやろうという情熱も特にない人にとっては、大学生協のレポート講座はなかなかありがたいものなのです。
ExcelやPowerPointについても同様のことが言えますし、Zoomに関しては多くの方がまだ、馴染みが薄いのではないでしょうか。少しばかり値は張っても、このような講習会の存在は生協のパソコンを購入する充分な理由となるでしょう。
「安心サポートパック」とは何ぞや?
それでは、「フルサポート」のもう一つの構成要素、「安心サポートパック」は何を指すのでしょうか?
法政大学の「安心サポート」紹介ページによれば、「安心サポートパック」のついたパソコンでは以下のサービスが受けられるようです(ただし、ここでは法政大学生協標準オプションの内容と有料の「安心サポートパック」の内容を区別せずに記載しています)。
- 4年間保証:大学卒業までの4年間、パソコンが自然故障を起こした場合に無償で修理をしてくれます。
- 4年間動産保険:「机の上から落とした」「キーボードにコーヒーをこぼした」等ユーザーの過失によってパソコンを故障させた場合にも、年1回まで自己負担金ゼロで修理が受けられます(ただし、カバーされる修理費用には限度額が定められています)。
- 修理時代替機の貸し出し:故障したパソコンが修理を受けている間、かわりに使えるパソコンを無料で貸し出してくれます。
- 修理時の送料は生協負担
- 店頭サービス:バッテリー切れを起こしたときに生協店舗で充電してくれたり、プロジェクターとの接続などに必要なアダプタを生協店舗で貸してくれたりします。
- セットアップサポート:大学でパソコンを使うための初期設定を先輩学生が手伝ってくれます。
何やら、再び読者の皆さんの心の声が聞こえてきました(被害妄想)。「パソコンって、そんなによく壊れるものなの?」
私からの回答は、Yesです。私自身パソコン故障の経験者ですし、ここ1年以内に3人の友人のパソコンが故障したというので、自分のパソコンを貸し出したり修理の手助けをしたりしたことがあります。
「橋本調べ」だけでは心細いのでネットに転がっている統計を探してみたところ、鳥取大学が学生からとったアンケート結果が見つかりました。鳥取大学「平成30年度 必携パソコンアンケート調査回答状況」によれば、回答者1,244人のうち27.5 %が、大学で使うパソコンの故障を経験しているそうです。入学年度別のデータも公開されているのですが、2年生にあたる平成29年度入学生で既に故障経験率23 %、学年が上がるにつれて割合が高まって4年生(平成27年度入学生)では42 %に達するということですから、パソコンの故障は決して、「特別に運の悪い人」だけが遭遇する出来事ではないのです。
オンライン授業の受講をはじめ、日頃の課題・レポートにも不可欠なパソコン。万が一... ではなく四が一、このパソコンが突然故障してしまうと、途端に大学生活に大きな支障をきたすこととなります。タイミングによっては、単位の一つ、二つが危うくなるなんて事態にも...
そんなわけで、大学で使うパソコンを購入するとき、故障時のサポートが手厚い生協パソコンを購入することは非常に賢明な選択と言えるのです。
なおパソコン本体の修理・貸し出しを受けたところで、データのバックアップが手元になければレポートはイチから書き直しとなってしまいます。「バックアップ... ナニソレオイシイノ?」という声がどこからか聞こえてくるので、これについてもいずれ、解説記事を執筆いたします。
参考
法政大学生協オリジナルパソコンのスペック
- 富士通UH08シリーズ
- ディスプレイ:13.3FHD、タッチパネル無
- プロセッサ:第11世代Core i7
- メモリ:8 GB
- ストレージ:256 GB SSD
- 光学ドライブ:無
- バッテリ駆動時間:約22.5時間
- 質量:約894 g
- OS:Windows 10 Home
- HDMI-VGA 変換アダプタ:付属
- 「【Win】富士通 生協オリジナルパソコン+フルサポートプラン【市ヶ谷】」、税込組合員価格199,900円
富士通直販サイトで再現したスペック
- LIFEBOOK WU2/E3(2020年10月モデル 軽量 カスタムメイドモデル)
- ディスプレイ:13.3型ワイド フルHD(1920×1080) タッチ非対応 ノングレア液晶
- プロセッサ:Intel Core i7-1165G7
- メモリ:8 GB
- ストレージ:256 GB SSD
- 光学ドライブ:なし
- バッテリ:内蔵バッテリリチウムイオン 50Wh(仕様一覧より、50 Whバッテリ搭載機の駆動時間は「約22.5時間」)
- 質量:約736 g~(仕様一覧より、50 Whバッテリ搭載機の質量は「約865 g~」)
- OS:Windows 10 Home 64ビット版
- 追加オプション4:VGA変換ケーブル
- その他はすべて最低構成
- クーポン適用で177,480円(購入画面に表示される一般割引率のクーポンを適用)