【関西】関西散策記#6 近代建築を訪ねる

2021/06/15

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大阪の中心部、船場、本町、北浜、中の島エリアには戦前の近代建築が残っています。高層ビルの間で独特の存在感を放っています。レトロビルとして注目される建物の数々を見に行きました。

まずは綿業会館です。近代大阪を支えた繊維産業の関係者による会員制の日本綿業倶楽部の拠点として1931年に建設されました。同窓会関西支部が総会を開いたこともあります。

綿業会館

船場ビルディングは職住一体のビルとして1925年に建設されました。外観は普通のビルですが、中は吹き抜けで、囲むように廊下がありオフィスが並んでいます。

船場ビルディング

1870年創業の生駒時計店が1930年に建設した生駒ビルヂングです。

生駒ビルヂング

ツタが覆われた青山ビルは1921年建設。当初3階建てで戦後4、5階が増築されました。隣にある伏見ビルは1923年にホテルとして建設され、いまはオフィスビルです。

青山ビル(左)と伏見ビル(右)

1936年に建てられた三井住友銀行大阪中央支店です。旧三井銀行大阪支店です。

三井住友銀行大阪中央支店

向かい側にあるのが1927年建設の高麗橋野村ビルディングです。1940年に尾崎楠馬・初代校長が手紙で「北浜一丁目野村ビル最上階如水会のルームで開かれた見中同窓会関西支部第六回総会に始めて出席」と書いてあるのは、このビルかもしれません。

高麗橋野村ビルディング

1922年建設で、かつて銀行や証券会社が入っていた新井ビル。いまは洋菓子の「五感」が入っていて、「ええもんちぃ」は人気の大阪土産です。

新井ビル

土佐堀川に面した北浜レトロビル。1912年に完成し、いまは英国紅茶とスイーツの「北浜レトロ」が営業しています。

北浜レトロビル

1935年に建設された大阪取引所ビル。2004年に改築されましたが正面の円筒形の部分は残されました。「大阪の恩人」と言われる五代友厚の像が建っています。

大阪取引所ビル

1912年建設で大阪教育生命保険が使っていました。隣(写真の右側)には1930年建設の浪花教会があります。

高麗橋ビルディング(左)と浪花教会(右)

1927年、南米マヤ・インカの装飾をした芝川ビルが建設されました。花嫁学校として利用されたのち、現在は個性的な商品を扱う店が入っています。

芝川ビル

1933年に建設され、1966年に増築された大阪ガスビル。大阪ガスの本社ビルです。曲面が特徴です。

大阪ガスビル

会員制社交倶楽部の大阪倶楽部の拠点として1914年に建設されましたが火事で焼失し、1924年に現在のビルが完成しました。

大阪倶楽部会館

1925年建設の今橋ビルヂング。大阪市中央消防署今橋出張所が入っていたビルで、現在はイタリアレストランが営業しています。

今橋ビルヂング

1926年に第一期、1930年に第二期工事が完成した住友ビルディング。現在は三井住友銀行大阪本店ビルとなっている。

三井住友銀行大阪本店ビル

かつて大阪が東京をしのぐ大都市で、「大大坂(だいおおさか)」と呼ばれていた大正から昭和初期に鉄筋コンクリートのビルが次々と建てられました。大阪にも空襲がありましたが、焼け残って今も生きています。2014年から「生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪(イケフェス大阪)」という普段は見られない内部が公開されるイベントが始まりました。

高35回 孤高

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